モリデン三代目社長の森豊章です。
皆様はモリデンにあるネオンサイン、ご存知ですか?
『なんでこんなもんつけとるの?』
『飲み屋さんみたいやな』
と周囲の評判はさまざま。
本日は、モリデン最大の謎といわれる、このネオンサインについて、少し長くなりますがお話いたします。
お付き合いくださいませ。
街の中で少なくなってきたネオンサインですが、モリデンのネオンサインは
LEDを用いたものではなく、戦前からあるネオンガスを封入した昔ながらのネオン管を用いてデザインしたネオンサインです。
今五十代の私の青春時代は、このネオンサインと共にありました。
日本は高度成長期を経て、急激に豊かになり、それと共に夜の街の風景は様々なネオンサインで彩られ美しくなっていきました。
ネオンサインの幻想的な光を見ていると、まだ若く元気すぎた自分と、ギラギラして吸い込まれそうな夜の街を思い出します。
父は昔の名張のネオンサインがある夜の風景が大好きでした。
『明るいやろう?きれいやろう?日本も豊かになったなぁー』
と、私に嬉しそうに話していました。
ネオンサインを用いて、昔を思い出せるような、それでいて、非日常的な空間を作りたい…
そんな思いを込めて作ったネオンサインです。
暖かで鮮やかな色と輝きは、LEDには到底出せないもので、完成し、点灯した時に、自分の思いと共にさまざまな思い出がよみがえりました。
モリデン恒例のBBQは、そんなネオンサインが見守ってくれてるような空間で開催されてます。
老いも若きもみんな、楽しそうにしている風景をみるのが私はとても好きです。
先代の私の父は、
『世を明るくするために、この仕事はあるんや』
と家業について話してました。
父が求めていた明るさは、こんな明るさだったのではないだろうか、とたまに考えます。
温故知新。
「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」という言葉です。
進歩を重んじるあまり、古きよき時代のよき物を失ってはならないと心に留めておかねば、と思うのです。
『野望は無謀を可能にする。』とは、スティーブジョブズの言葉ですが、野望を持ち続けるためには、拠りどころになるようなよき思い出が大事だと思います。
私にとって、野望を持ち続けるモチベーションになるのが、父との思い出を彷彿とさせる、このネオンサインかもしれません。
『令和』と言われる新しい時代がやってきました。
未来のことはわかりません。
少し先のことすらわからない私に、未来の話は出来ません。
しかし、どれだけ辛い時代がやってきても、昔の思い出や、代々の社長…祖父と父…が考えていたモリデンの在りかたを忘れることはありません。
私や従業員がそれを忘れない限り、モリデンは前を見据えて発展を続けるはず。
新しい時代にも、皆様の生活を明るく照らしていく灯りになれるよう、頑張っていきます。
これからもご愛顧いただけますよう、よろしくお願いいたします。